2015年06月09日

れが無駄に使わ

 それは、父親のしつけが厳しくて、正義感が強く育ってしまった。 そう
なると、他人に対しても厳しい。
{自分が正しい事を守っているのだから、他人だって守れないはずがない}
 という居丈高な態度で接した。 ときおりは客に対してもそういう態度が出
てしまう。 主人は、
 「どうしておまえは、そういうふうに自分だけが正しいと思いこんでいるいる
のだろうかな」
 よくからかい半分に訊いた。 梅岩はムッとして、
 「それは私の方が正しいからです」  と、言い返す。 主人は温厚な人で、
 「そうかな、でも、どんなに正しくても、指摘されたほうは、あまり自分の悪
いところをしつこくえぐられると、逆な気持ちになってしまうのではないかな」
 といった。 この主人の言葉も梅岩には大きな影響を与えた。 主人はこう
いい添えた。

 「人間はそれぞれに心がある。 心というのは、世の中のために正しい使わ
れ方をしなければならない。 それが無駄に使われることがある。
 ムダに使われると言うというのは、他人によって刺激を受け、怒ったり、悩
んだり、悲しんだりすることだ。 それも、不当な理由でそういうことをされた
場合、その人自身にとっての悩みはいよいよ大きくなる。
 それはなぜ自分はこういうことを言われるのだろうかとか、こういうことをされ
るのだろうかと、原因をいくら尋ねても想い当たることがないからだ。
 そういう意味では、お前は自分が正しいと思っているからかもしれないけれ
が、ただ正しさを人に押し付けて、人間」を裁いたりすると、相手の人が私の
言う心のムダつかいをすることが、いよいよ 大きくなるよ」

 梅岩は、あきれて主人の顔を見つめていた。 それは主人の言った  


Posted by gfhgh at 18:52Comments(0)情感